Xグリッド販売で世界市場の30%を持つ国際メーカー
三田屋製作所は、1946年にX線装置の部品製造で創業。50年代から国内メーカー初となるX線グリッドの開発・販売に着手し、業容を拡大してきた。もともと東京に本社があったが、2012年には本社を東京から工場のある川越市に移し、名実共に川越のものづくり企業となっている。
X線グリッドは、X線撮影の際に、被写体と受像部の間にセットするボードのこと。X線検査の時に撮影距離や部位に合わせて差し替えているのがこの製品だ。X線が被写体を通過時に発生する不要な散乱X線を除去するフィルターの役割を果たす。
散乱X線の透過を防ぐ鉛箔と必要なX線を通すアルミ製やファイバー製のパーツ(インタースペーサー)を交互に並べてボード化している。デジタル化でX線画像も高精細になり、それに合わせて箔を薄くするなどして、配列ピッチの高密度化が進んでいる。
材料の検査から加工、検査と20工程くらいの細かい作業があり、人的な技能も必要で参入障壁も高く、競合メーカーが少ないので販売価格も安定しているのが強み。今後は、アジアの新興国を始め、海外販路がさらに拡大していく予定だ。