「高真空・極低温技術」で、日本の科学技術発展に貢献
液体ヘリウム(-269℃)、液体水素(-253℃)、液体窒素(-196℃)など、取扱いが難しい極低温機器の設計、製作を得意とするのがジェック東理社だ。
この30年間、世界中で超電導材料の研究が盛んに行われてきた。超電導は特定の物質を極低温に冷やすと電気抵抗がゼロになる特殊な現象。その材料の開発には、極低温状態で物質がどのような性質を示すかの評価が欠かせない。これらの研究者のニーズを一件一件吸い上げて実験装置を作り、科学技術の発展に貢献してきた。
「KOEDO E-PRO大賞」を受賞した液体窒素容器「シーベル」は、同社で最もシンプルな製品だが、同社の基礎となる低温技術が凝縮された製品。高い断熱性能だけでなく、軽くて扱い易いところが評価され、全国シェア67%という高さ(工業ガス専門誌『ガスレビュー』調査)を誇る。
製鉄、半導体、食品をはじめとした、液化ガスを大量に消費する工業向けには、配管を丸まる魔法瓶構造にした真空断熱配管(VJP)を提供している。このVJPは高い断熱性能に加え、高圧ガス保安法に基づく経済産業大臣の認定を取得し、高い安全性と信頼性を実現している。また真空排気まで含めて工場内でプレハブ化することで現地工事を短縮化、真空劣化が起きにくい構造による長期間メンテナンスフリーの実現など、性能、品質だけでなく使い勝手にもこだわった製品となっている。
また近年では、「重力波望遠鏡」の感度を高めるために欠かせない設備の冷却や、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「再利用可能宇宙ロケット」の燃料供給系統、「超電導送電」の実証プロジェクトなど、最先端の分野にも同社の低温技術を活かして参画している。
- 断熱に関する基礎技術が凝縮されたシーベル、E-PRO大賞を受賞
- 経済産業大臣認定品の真空断熱配管(VJP)
-196℃の液体窒素の安全で手軽な取扱いを実現し、産業・工業・医療・科学の各分野の生産・試験・研究等の多彩なシーンで活躍している。