高所作業のツラい「登り」を飛躍的にラクにする登高器を開発
ビルの高い所での工事や作業は、場合によっては高所作業車が入れないことや、仮設足場を作れないこともある。そもそも通常仮設足場は地上45メートルまでしか組めず、ビル同士が接近し過ぎていて、高所作業車が駐車したり足場を組むスペースがない場合も少なくない。また足場の設置には時間もコストもかなりかかるのが現状だ。
そこで、この「スペース」「時間」「コスト」の問題を一気に解決したのが、ロープを使った電動の登高器「NSCパワーアッセンダー」である。令和元年度のKOEDO E‐PRO奨励賞を受賞した画期的商品だ。
通常は、登高器がなければ作業者はロープを使って「自力で」登らなければならず、それは体力を消耗する非常にきつい作業になる。この「NSCパワーアッセンダー」は、通常の高所作業で使う充電ドライバーを動力にしているので、体力をまったく消耗せずにラクに登って、作業に集中できる。ツラい「登り」がないことが最大のメリットだ。さらに従来の登高器に比べ、重さ・大きさともに3分の1以下、コストの大幅ダウンも実現した。
現在は高所での工事や作業だけでなく、人命救助の現場でも活躍している。全国の県警、消防署からの引き合いも多く、NSCパワーアッセンダーを使うことで迅速で正確なロープレスキューが可能になった。さらに、国内はもとより海外からの注目も集めていて、現在16カ国からオファーがあるという。