簡単に、安価にセメントを再生した
砂・砂利から6価クロムを除去する
建設業界も環境にやさしい体質に生まれ変わりつつある。あまり知られていないが、解体された建物などから出るコンクリートは、現在ほぼ100%再利用されている。細かく砕かれ砂利・砂にしてアスファルトの下に敷くことが多い。しかし困った問題がある。この砂利・砂から国の定める基準値を上回る有害物質6 価クロムが検出されることがあるのだ。初野建材工業は、この業界の頭痛の種を勇猛果敢にビジネスチャンスに変え、注目を集める。酸化還元反応を利用した6価クロム浄化剤『再生6出なし』を2012年に販売、特許も取得した。また地盤改良に使用されるセメント系固化剤からも、同じように基準値を超える6価クロムが検出されることがあるため、これを除去する、『改良6出なし』も販売した。すでに国よりも環境基準が厳しい沖縄県の産業廃棄物処理組合から問い合わせがあり、この2月には国交省の技術データベースNETISにも登録された。今でも同社の売上は、土や砂利・砂の販売と、建物の外構工事が支えられている。が「次の世代に持続可能な世界を引き継いでもらうためにこの技術を開発した」(代表取締役・初野直樹さん)。長年建材を現場で見てきたからこそ可能となった偉業である。