株式会社櫻井印刷所

取締役社長、櫻井理恵さん

従来のオフセット印刷から、小ロット向きのオンデマンド印刷まで、さまざまな要望に高いクオリティで応えている。印刷加工のみならず、社内に制作部を置き、印刷物の企画からデザイン、撮影や編集・ライティングまでも含めた提案を行うのが同社の強みだ。

「今は“デザイナーがいる印刷会社”ですが、将来的は“印刷機を持っている制作会社”を目指したい」と、4代目社長の櫻井理恵さん。印刷の中身である「情報の加工」にも力を注ぐ。

会社PRも兼ねて自社スタッフを中心に制作した、フリーペーパー『kawagoe　premium』は、2016年の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞」を受賞。観光目線ではなく、川越で暮らす人々に向けて、川越の魅力を発信するといった編集コンセプトと、その世界観にあった紙質、写真やデザインのクオリティの高さが評価され、まちの魅力の再発掘にも貢献している。

お客様に言われたとおりに印刷するのではなく、「求められているものを的確に理解し、一緒に作るという発想で、ご要望以上のものを提案できる力を求めます」と櫻井さん。それは印刷というオーダーメイドの商品だからこそ必要な「想像力」ともいえるだろう。

また、企画制作部分を強化する方針から、時代の流れや流行を見極める視点、ネットですませない情報収集力やフットワークの軽さを持つ人材を重視している。現在は中途採用が多く、新卒採用は必要なときに行っているという。

パートも含め社員は女性も多く、とくにデザイン部門は8名中5名が女性である。社長の櫻井さん自身、幼い子ども3人の母親であり、育児・家事と仕事を両立しながら働く姿は、女性の働き方のモデルにもなっている。