古いバイクや車のエンジンに、新しい命を吹き込む
1970年代以前の車やバイクのエンジンの多くは、その心臓部であるシリンダーが鋳鉄製で非常に重く、古くなって壊れたり錆びたりすると乗り続けることが難しかった。自分の手でメンテナンスすることを楽しむバイク愛好家にとっては、部品を買って直したくても、メーカーの補修パーツの提供期限を超えるとそれも難しい。愛車を乗り続けることを望むライダーは、現在の軽量で高性能なエンジン搭載の新しいバイクに乗り換えるのではなく、使えなくなったエンジンを何とかして生き返らせ、走らせたいという切実な願いがある。
同社はシリンダーに超軽量のアルミニウムを使い、耐摩耗性や放熱性などに優れたものに加工する技術「アルミメッキスリーブ化技術 ICBM®(Inoue boring Cylinder Bore finishing Method)」を開発、今回の受賞に至った。
「アルミメッキスリーブにすることで、重さは鋳鉄製の3分の1と軽量化に成功しました。また、シリンダーは内側の摩耗が激しい部品ですが、ダイアモンドの砥石でないと削れないくらい硬いメッキ仕上げの技術を開発し、摩耗が圧倒的に少なく、永く使えるシリンダーに再生させることも実現しました」と代表取締役の井上壯太郎さんは胸を張る。
この技術は車やバイクに限らず、トラクターやジェットスキーなど、エンジンを搭載するあらゆる乗り物に対応するが、現在はオートバイのシリンダー加工がメインになっている。全国のオートバイ、中古車販売店との連携だけでなく、個人のバイク愛好家の古いシリンダーに新しい命を吹き込んでいる。
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アルミメッキスリーブ化技術「ICBM®」加工を施したエンジン・シリンダー




