新発想。羽根でなく「遠心力」で混ぜる撹拌技術
「液体を混ぜる」といえば、普通は羽根(プロペラ)のついた撹拌機でグルグルとかき混ぜるイメージをもつだろう。工業製品には「液体を混ぜる」ことが制作過程に不可欠なものは少なくない。自動車や建築物の塗料、加工食品、飲料の材料、洗剤など……。しかし、撹拌機に羽根があると、かき混ぜる過程で空気が入り気泡ができてしまったり、羽根で材料を破断してしまい、それが商品の品質を損なうといった問題が生じることもある。
この「C-Mix」は、業界初の「遠心力」でかき混ぜるという画期的な発想で生まれた撹拌機だ。縦と横に穴のあいた円状ヘッドが回転することにより、遠心力で液体に立体的な流れを発生させ、容器のすみずみまで均等に撹拌を行う。羽根がないことで液体に気泡が発生するのを大幅に抑えることができるため、撹拌する液体が空気に触れることによる劣化(酸化)が少ない、脱泡時間も大幅に短縮できるといったメリットがある。また、本来傷つけてはいけない内容物を羽根で破断することもない。羽根を清掃する際に指を切るなどのケガもなく、安全性が高いのも特徴だ。
「C-Mix」の「C」は「Centrifuge=遠心」が由来。あらゆる製造業の撹拌を必要とする場面で、強力で安全、安定した混合力を発揮するC-Mix。この技術はパートナー会社のエディプラスが特許権をもち(特許第4118019号)、それをもとに同社が開発、設計、製造、販売を手掛けている。埼玉大学・日本大学と技術の数値的な証明の共同研究も行っている。