製造コストを3分の1に圧縮する
画期的な金型プレス工法
株式会社ウイングは、工業部品の製造に欠かせないプレス加工の分野において卓越した技術力を誇っている。同社が扱うのは主にギアやマフラーのフリンジなどの自動車部品。従来のプレスでは厚さ約3㎜の板が限界だったが、同社では12㎜の厚板まで加工できるという。これまでファインブラッキングという特殊なプレス機を使うか、プレス後に研磨、切削することでしか実現できなかった精巧なプレスを、汎用プレス機で実現したのだ。これは同社が開発した“順送”という1台のプレス機で一度に5つの工程を行う方法で可能になった。
同じく同社が考案した超音波内蔵金属プレス加工は、これまでレーザーやウォータージェットという高価な方法でのみ可能だったカーボンファイバーやアルミの精巧な成型を実現。これは「金型の刃に超音波を伝える製法で、現在特許出願中。長年のプレス加工における試行錯誤が産んだ自信の技術」(代表取締役CEO・小林一宏さん)だ。同社が開発したこれらのプレス加工技術を使用すれば、同じものを製造するコストは従来の3分の1にまで圧縮できるという。金型プレス加工の分野で、技術開発力を武器に飛躍的な急成を遂げており、現在、渋川市に5000㎡の新工場を建設中である。
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- 製造ラインと製品群